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学生団体「国際関係会」の看板やチラシを持って歩くメンバー=2025年4月4日、横浜市港北区日吉4丁目の慶応大学日吉キャンパス、同会提供

 大学のサークルや部活の新入生勧誘活動が本格化している。コロナ禍で定着したオンラインを駆使し、在校生は入学式の前からSNSやオンライン説明会で勧誘を開始。新入生は対面も交え、信頼できるサークルを見極めようとする。

2月からSNS毎日発信 4月に「育った状態」に

 「一緒に最高の思い出を作りましょう」。3日午後10時すぎ、慶応義塾大学の公認学生団体「国際関係会」のオンライン説明会で、新入生約10人に同会の「日吉代表」岩佐英俊さん(19)=経済学部2年=がパソコン越しに呼びかけた。

 同会は約400ある大学公認学生団体のひとつ。70年近い歴史があり、約300人を擁する学内最大の国際系学生団体だ。今年は新入生250人の入会が目標。新歓(新入生の歓迎)には20万円をかける。SNSやオンラインでの情報発信を強化してきた。

 同会の西本真緒さん(20)=商学部2年=が新歓準備を始めたのは昨年12月。2、3月は団体への関心が高い層とSNSでつながり、4月上旬の入学式後はキャンパス内でチラシ1500枚を配って広く知ってもらう算段だ。

 2月15日にSNSの新歓用アカウントを作成。年内に合否が決まる新入生を照準に、1日1回以上のペースで投稿を続けた。投稿を重ね、4月に新歓アカウントをフォロワー数の多い「育った状態」にできれば、一般入試組の注目も集められると想定した。

 3月27日にはオンライン説明会を始めた。アルバイトや他サークルの新歓と重ならぬよう、今年から開始時間を1時間遅らせて午後10時からに。新歓のLINEグループには3月末時点で新入生140人が登録した。西本さんは「SNSの発信も入学式前から始めないと他のサークルに後れをとってしまう」と話す。

 昨年12月から始まったミーティングや作業に没頭するあまり、2、3月には睡眠時間が連日1~2時間になる日もあった。新歓担当の資質について「最後までやり抜く力です」と言う。

オンライン新歓続々 対面の食事会は「オフ会」

 「慶應スプラ同好会」は3月1日から毎週1回、オンライン上で対戦アクションゲーム「スプラトゥーン」を新入生とプレーする新歓を続けてきた。履修やサークルなど大学生活の不安に通話で答えながら、活動費用がかからないという同会の魅力を伝える。

 新入生との接点はX(旧ツイッター)がメインだが、4月上旬には会員がサークル名を書いた看板を体にかけて、キャンパス内を練り歩いた。3月まで代表を務めたゴマしおさん(プレーヤー名)=経済学部4年=は、「対面新歓でこそ知ってもらえる人は結構いるんです」と話す。

 ただ、対面の食事会は「オフ会」と呼び、開催は年に数回。4月は予定していないという。

「都内人気ナンバー1」に「なえた」

 新入生はどう動くか。

 早稲田大国際教養学部1年の…

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